[やがて紅月の夜は終わり、新たなる廻りが訪れる。 雪雲はいつしか完全に消え去り、千年ぶりに顔を出した朝日が、『譲葉』の地を眩く照らし出していた。 新たなる夜明け、雪解けと芽吹きの予感を、人々は歓喜と共に出迎えた][暖かき陽光受け、白は煌めきと共に透明へ変じ、大地から消え去っていく。 かくて、世界は温もりと色を取り戻す][――ただ一点。 王座への階の最下に佇む、新たなる氷神を除いては]― 回想・了 ―