―避難所―
[どれだけ歩いたか分かりません。今は夜なのでしょうか、それとも朝? 光の届かぬ白い世界で、時間を知る術を私は持ちません。]
やっと……。
[目の前にある避難所の扉……。扉の文字は雪で隠れかかっておりますが、それを手で払い、私は確信してその扉を開きます。]
[吹き付ける強い風が、少しだけ開いたつもりの扉を大きくこじ開けました。
あわてて中に入り、必死に扉を風に逆らわせ閉めます。]
どなたか、いらっしゃいますか……?
[コートと鞄の雪をほろい、私は室内を見まわしました。
私のすぐ前に入った方もいらっしゃるようで、まだまだ寒そうにしてる方、もうしばらくはここに居るような方まで、ちらほら人の姿が見受けられました。]