だが――
君には是非、君にしかできないことをやって欲しいんだ。
数年野にいた君は、幸いにして身軽だし、ね。
まず、提供して欲しい情報がある。
アレから聞いているが、かの伝承の呪いを解く方法って、いったい何だったんだい?
これから、またかの伝承のなんとやらが我々に立ちふさがるのは目に見えている。解く方法がわかっているのなら、それに越したことはない。
次に。魔物の偵察をしてきた君にしかわからないだろうことを教えて欲しい。
魔王だか魔将軍だかのテオドール・グラムワーグ。
名前はアレが教えてくれたが――君は何か知らないかい?
彼が何故、魔物を率いて我らに戦いを挑んできたか、ね。
[無理な笑顔に注がれる視線は、あくまで真面目一徹の、冷静なものであった*]