[ 養父から声をかけられることもなく、
道が別たれる前、ちらと見遣った顔には
どことなく哀愁が漂っているように見えた。
そのまま角を曲がり、
王宮に着いてとある一室に通されたら
付いて来た衛兵が行ってしまおうとするから ]
…悪戯っ子を閉じ込めておくには
鍵が足りないんじゃないかなぁ
[ と、態々呼び止め、冗談だよと言い直して
筆と紙を一つずつ持ってきてくれるよう頼む。
先に届けられるのは
彼の王子>>66の死の報せか、
それとも南の国の侵攻の報せか
どちらとも未だ知れぬことで
待つ間に何か描いていようと思ったのだった。* ]