[微笑み>>45に返って来た、ローの
冷たいような一言のあと、ひどく真剣にも耳に響く言葉>>52に、
驚いて空色の瞳を瞠った。]
―――…っ。……“絶望”?
[ああ、そうか……と、やっと理解する。
兄を失った時の…そして、ロウを失うかもしれないと怯えた時>>2:303の“わたし”が感じた、
心臓が鋭い爪で抉られるような恐怖を。
底なしの暗闇に飲み込まれそうな喪失と絶望を。
永遠に消えないかもしれない血混じりの慟哭の幻聴を。
“わたし”が死んだかもしれないと思った時の、
彼も感じたのだろうか、と。
“わたし”が死んでいたら、相手に何をするかわからない”>>51
彼の言葉は、けして大げさではなく。
大事さの裏返し故なのか、と。
ロウにもしものことがあったら、“わたし”も
そう しかねないかもしれないように。]