[…は、いつもよりすっきりした顔で1階へと降りてきた。そしてそのまま談話室に入ると、薔薇色の便箋をテーブルの上に置いた。]
『アイリへ
おはよう。今、きっと館ではいろんなことが起きているだろうな。
たとえば私に会えなかったり、さっきまでそこにいたひとが、いつの間にか居なくなっていたり。
でも私や、いなくなった人達のことは何も心配しなくていい。
今事情を話すわけにはいかないのが申し訳無いのだけどね。おまえはさておき、他の皆は心配性だから。
ーもちろんパパは、おまえが無表情なだけだってちゃんとわかってるぞ?ー
詳しくは言えなくとも、これだけは伝えておく。
私達は危険な目に合ってるわけじゃない。大丈夫だよ。すぐ戻る。
全員に書いても良かったのだけど、面倒だからおまえに託すよ。みんなにも、しっかり伝えておいてくれ。
パパより
追伸。
年頃の娘が昼過ぎまで寝るのはやめなさい。早寝早起きだよ、いいね?』