………あたしは、そうは思いません。
人間、……ただの、人間なら誰だって、
生きている方がいろいろ、楽しいことにも出くわせる可能性も多くって。
少なくとも、悪いことばかりじゃないでしょう……だけど。
[それは辛いことばかりの生を過ごしてきた者には綺麗事に聞こえかねないけれど、
それまでがどんなに悪いことばかりでも、
生きていればいずれ帳尻は合うものだ――と。
持ち前の気性でエルナはそうと信じていた。
無論逆もまた然り。
今がこうして痛くて苦しいのは、それまでに楽しみすぎたせいだ、きっと。
だが受け入れようではないか、痛いのも苦しいのも、何もかも。
そうして断言する。これも師匠の受け売りだけれど]
だけど、あいつらは生きていることそのものが罪なんですよ……!