[一足遅れて>>81ソマーリュに追いついたその貌には何時も以上に感情と言う名の表情が消え、ぼんやり虚ろな眼は、目の前の彼をみているのか、それとも在りし日の兄を見ているのか…]
[何故今更?俺が「チャールズ」の代替え品でも構わなかった癖に、会いたかった?ならば何故…、幾つも浮かぶ兄へと向ける弟としての甘えた苛立ちを振り払おうと首を振るけれど、押込めていた思いの丈の分だけ、我儘な子供は黙ってくれない]
…………――、――ー。
[「何か用があったんじゃないのか?」そう尋ねようと開いた唇は、結局思った通りの言葉を紡ぐ事は無く、音を紡がず小さく震えただけだった――『兄さん』と、昔彼を慕った小さな弟が無邪気に繰り返した呼び名を紡ぐその形に]