― デメララ近くの川 ―
[日暮れ前に架橋が完了した舟橋。
架橋を担当した部下達は川に入った流れでそのまま渡河し、対岸で外した装備を装着し始める。
彼らはその場で待機となり、残る部下と男が舟橋を渡る段となった時、それは起こった]
─── 、 っ
近い方の岸に飛べ!
[耳に届く、上流からの轟音>>77。
短い指示に部下達はそれぞれの判断で避難を試みたが、如何せん川幅が広い。
跳躍が間に合わない者も多く、当初の3分の1の数の兵が濁流に巻き込まれた。
後方にいた男は、目の前を流れゆく濁流の中に、尖った岩や槍のような木材が紛れ込んでいるのを見る。
岸から溢れる土砂から逃れるように後ろへと下がれば、今度は対岸から鈍い音と悲鳴が上がった]
二重の仕掛け、だと…!
[これらが人の手によるものであることは一目瞭然。
誰が、と考えて思い至るのは早かった]