― →大広間の次の間―[手袋を付けたまま、死んだ執事に触れる。かちこちに固まった遺体はひどく冷たかった。]…よ…っと。[男は僅かに開いていた脇に腕を差し入れて運ぶ。室温は相変わらず低いから、腐る事はないだろう。死者を悼むのではなく、そんな事を考えた自分に吐き気がした。大広間の次の間の小さな一室。控室か何かだと思われる部屋に執事の遺体を安置する。自分の持ってきたリュックサックからフリースの毛布を取り出すと、彼の身体に掛けた。]