―避難所―
[避難所に灯りが付いているのを見て、男は安堵の息をつく。
手袋で覆われた手で扉をノックする。
施錠されていないようなら自分で扉を開けて、
されていないなら開けて貰うまで待つ。
中に入る事が出来れば、冷え切った身体は暖房の効いた部屋の温かみで弛緩し、
何より人がいる事にほっとする。]
…おはようございます。
吹雪が酷いから避難しろと牧師さんに言われて…。
[それだけ言うと、どっと疲れが出た気がして男は少し中に入ったところで床に座り込む。
人数が少ない事に気付く心のゆとりはなかった。**]