― 少し前・中庭で ―
髪がきらきら? ああ、色素が薄いから反射しやすいのかな
[後ろでひとつに結んだ髪をつまみ上げ、
自分の頭髪である金糸に一瞥をくれた後に
再びベリアンの方へと向き直り、肩を竦めさせる>>77]
… いい香りだ
[すん、と短く鼻を鳴らす。
香水を纏わない健康的な汗の匂いを堪能して。
頬に触れる褐色の指先に気づき、おやと鼻頭を肌から離す。
琥珀にも黄蘗にも似た色味の双眸を向けた所で、
慌てふためいた態度を伴わせて指は離れてしまったか>>79]
いいよ、俺も体温を感じるの好きだからわかる。
[離れた手首をそっと掴み、横顔のラインにまで誘う。
いまや我に返った彼にとって余計落ち着かなくなる事になったとしても]