― 旅人と神父 ―
[”彼女”がこの村に最後にやってきたのは
5年も昔の事、であった>>81
大怪我をした彼女を、手当てしたこともあったろうか
彼女が回復したなら大柄ではあれど、矢張り一冬程仮宿貸して
手当てもし、寝食共にすれば自ずと隠していることも
察するというものであろう
察してからは、フリーデルに
ニコラスの力になれることがあるなら
なってあげてほしい、と頼んだこともあったか
どうしても男性というものは、
女性の機微には疎いものであるからして
自分ではあまり細やかなことは配慮ができそうにない
と、思ったのもあった
――ただ]