― 数日前・勤め先のバー ―[夜明け前。 客は全ていなくなり、音楽も消えたバーで、刈屋は一人、後片付けをしていた。 このバーに雇われてもう1年半。 手順など慣れたもの。 あとは洗った食器を磨いて仕舞えば終わりと、シェイカーを手にした時。 羽音と、目の前を横切るなにか。] ………?[瞬き幾度か繰り返して、横切ったそれへ視線を向ける。]