[オットーが、同じ年の自分に抱いている対抗心。さすがに長く親しい付き合いだから気付いていた。
だから酒盛りの件のように、何かでオットーよりも上回っても、自分からそれらについて話をしたことは一度もない。
牛乳の件も、オットーの様子から薄々読み取ったのはいつだったか。気持ちが理解できる青年としては、直接言及する気など全くないけれども。
手当てをしたオットーから何も言われなくても気にしない。元々物事にこだわらない性格である。
ただヨアヒムが椅子を壊した場面を目撃してなかったオットーが不思議そうな顔をしたとき、うんと頷くだけだったのに、ちょっと告げ口するみたいで気が引けてしまった。]