[
(鈍い!)
彼の反応が一瞬遅れたことに気付くものの、繰り出した膝蹴りは顎へと決まり。
ソマリの身体が宙を舞う。>>80
自分が化け物だってことは、自分が一番よく知っている。
だから、この船に監禁状態でいるのではないか。
なりたくてなったわけではない。
それはお互いにそうだったであろうが……。
――生まれながらにしての人狼と、人狼もどきになった人間。
――分かり合えるようでいて、明確に存在する分厚い壁。]
化け物よ!
貴方も、私も、……ねっ!!
[怒りに燃えるように血色に染まった目。>>80
その目ごと、彼を蹴り飛ばす。
同時に、掴まれていた手を振り払い、更に一歩踏み込んで。
追撃の手を緩めようとはしない。]