[ル・ウルタールという女性の地位の低い星に生まれて。
貴族の家の跡取りであり、
後に第一位王位継承者となった双子の兄を、
ずっと――…守らなくては、と思っていた。
両親は何故、王位を継げない妹の方が生き残ったのかと、
悲嘆に暮れた。周囲の人はみんな、
死んだのが妹の方で幸いだったと胸をなでおろした。
“わたし”自身も、大切な兄ではなく、代わりに
“わたし”が人狼病で死ねばよかったのにと思っていた>>0:264
ロウや他の人ではなく、自分が殺されそうになってよかったと>>45
本心から安堵できてしまったのは。
おそらくは、そんな無意識の現れだったろうか。]