…こうまで申し上げてなお、構うなとお命じであれば、口を噤みますが──
下がれと仰せになるなら、これまでの働きに免じて、わたしにも”門”へ向かうお許しをいただきたく。
[テオドールが北伐を進める途上で勧誘されたベリアンは、まだモーリスの南へ足を踏み入れたことがない。
人里を離れた廃村の墓地で屍体を漁りながら逃亡していた頃は、凶悪な魔獣のうろつく”門”に近づくことは考えてもいなかった。
だが、テオドールの口から”門”が持つ可能性を聞いて以来、それはベリアンの心を掴んで話さない存在となっている。>>1:499>>1:530
原初の力につながる禁断の地──
テオドールの意向>>32を聞いた時に、動揺したのはそのせいだ。>>39]