―深夜 ヨアヒムの部屋―[半ば無理矢理譲られた幼馴染のベッドの上で寝返りを繰り返す。目を閉ざすとアルビンの姿が瞼の裏に浮かび上がる。雪を赤く染め上げる赤い色。一目で他殺と分かるであろう無数の傷。他殺と分かってしまったら――。] …………ごめん。[何度目かの寝返りで、眠っている幼馴染の方へと身体を向ける。魘されているのか、あまり安らかとは言えない寝顔。思わず手を伸ばしかけ。]