[そんな有様であったから、ドロシー・ブライアンの潜入も調査も容易であったろう。>>80軍人らは同じ軍人である彼らに好意的であったし、文官といえばゾネスと聞いただけで表情を尖らせたものだが、彼らを拒むまでの権はなく、結局は部外者に容易に探索を許す形となった。もしも、彼らが正常に機能していたなら。外務長官室といえば国の機密をも扱う重要な部屋、許可には慎重となったであろうし、こうも容易に探索が行われることはなかったのかも知れない───*]