ー回想・ナネッテとー
[そういえばそうだった!
しかしノーラは自分の犯した罪に気付かない!
彼女は強いという言葉に疑問を示す。
殺すことは、逃げの一種だという。]
人を殺せる度胸があるなら強いんじゃないですか。俺は……もし海賊に人狼がいても……殺せない。
[星の教えを忠実に守ってきた…にとって、人の命を奪うのは自分が死ぬのと同じようなもの。
例えそれが人狼であっても……
…は言葉を続ける。]
俺思うんですよ。
仮にその人にガルーが宿っていたとして、人間の時の人格まで殺しちゃっていいのかって。
それが本来のその人な訳で。殺さなきゃ自分が危ないのはわかってるんですけどね。
[お人好しではなく、これまで人の暖かさに触れた彼なりの真理なのだ。彼女に赤い聲が聞こえることは知る由もなく。]