― 黄砂の村 ―……ん。[ふと、目が覚める。混濁する意識は、自分がどこにいるのか、近くに誰がいるのかを掴ませず]……く………と……?[途切れ途切れに紡いだのは、ここにいない者の名前。勿論、その名を持つ者が既にいないのは理解しているから。沈んでいた夢を振り切るように、軽く首を振った後、数度咳き込んだ]