― 回想/新たな場所で ―
[意識を取り戻したのは数日経ってからのこと。
ヴェルナーは知らぬ場所へと連れられていた。
失った四肢は一応の手当てが為され、止血が施されている]
………どこ、だ………
[呟きは近くにいた治癒師に届いたらしく、状況を説明された。
ヴェルナーを助けたのは傭兵団フェアティガー。
あの日、故国の要請を受けヴェルナー達の故郷へ向かっていたのだという。
残念ながら隣国の動きが早く間に合わなかったのだが、そこでまだ息のあったヴェルナーを見つけ、治療のために連れ帰ったのだとか]
[発見された時は、まだ生きていることに驚かれたらしい。
無理もない、四肢を失い出血も多い中での生存だ。
何かしら、死ねない理由でもあったんじゃないんか、なんて揶揄われもした]