[同時、自分の身体が盾の中に閉じ込められていく>>81。
目を剥いて剣を抜こうとしたが、容易には抜けない状態になっていた。
ぎちり、と留められた剣に焦りの色を見せる]
─── 何故?
[息がかかるほどの距離で向けられた問いかけ。
鸚鵡返しに声を紡いだ後、至近距離でカナンを見た]
ここで君を殺せば、確かに戦況に変化が訪れるかもしれない、けど。
僕は君を殺すために君を助けたんじゃないから。
君を生かしたくて助けたことを、ここで殺す理由にしたくない。
それに、君が流れた血に報いると言うなら、ここで死ぬべきじゃない。
[そう言って口端を持ち上げる]