『そう言って、抜け駆けするつもりじゃなくって?』
『そうよそうよ、さっきだって倒れた子をダシに声を掛けたんでしょう』
ちっ、違います!
わたし、フレデリカさんが倒れて、どうしたらいいかわからなくて!
[確かにあんな出来事でもなければ、会話する縁のないひとだったとは思う。
けれどフレデリカを利用したように言われるのは本意ではなく、つい語気を強める]
『嘘よ! そうじゃなきゃ、そう都合良くヴェルナー様と話せるわけないじゃない!』
[詰め寄る一人に、周囲の花精たちも同調する。
中には酷く攻撃的な言葉も混じり始めていた]