( へたくそだっていいのになぁ )[ 段々と並んで絵を描く頻度が減って 絵を描く様子を隣から見られている そのことに少し寂しさを覚え始めていて 思わず心の中で呟いたのだった。 ][ 絵描きの娘と一国の王子と。 まだ分け隔てなく笑い合えていた頃。 歳の同じ子どもは瓦礫の街で別たれた後 街で数えるほどしか見たことが無く 初めて出来た歳の近い「ともだち」との優しい記憶。 それはまだ無垢な子どもで居た頃の 愛おしく懐かしい大切な日々の思い出。* ]