― 寝台に押し倒す前>>79 ―
[兄と慕われていた身であれど、
男に足を撫でられる事に抵抗は無いのだろうか、
ふと思ったが、拒絶される事はなく。
労わる目的で撫でている事が察せて居るせいなのかも知れないが]
…そうか。 あんなおっさんでも一応村長だからな。
[両親には挨拶したのかと言いたくなる口を噤む。
何故宿に泊まっているのかという事を考えれば――
シモンには、帰る為の家が無いのだろうか?]
きっとお前が帰って来たと知ったら喜ぶさ。
ああ、未だ苦手なのか?
[外面では真面目ぶった顔をしてはいるものの、
あのおっさんが本当は大の子供好きだという事も知っている。
立派に育った目の前の彼との再会を喜ばない事などある筈がない]
いいよ。俺も挨拶は未だだしな*