− 宿 −[雪を漕ぐように歩く。昨日はパメラに押してもらったがそこまで遠くは感じられなかった。今は荷はほとんどないのに、1人なのに。随分と時間が掛ってしまった。宿に辿り着いた時にはレジーナの悲劇も悼む皆の様子も知らぬまま。だがレジーナを呼ぶ前に、異様な雰囲気だけは何となく感じ取って、何とか閉めた扉の前から動けずにいた] おい。 ……誰かいないのか?[人の気配はすれど、吹雪のせいとは言い難い圧迫感を感じて声も控えめだ*]