[『特別を持てば、比重が偏る』>>69そう語って笑みを浮かべようとする唇は、なんとも言えずぎこちないもので]……それは、いけないことなのか?[ぽつり、呟いた]祭壇に贄を捧げた者を憎むのは捧げられた羊の命を愛おしく思うから。花を摘むのを惜しく思うのは、その花を好ましく感じるから。憎しみだって、愛惜だって、その根底にあるのは、神の被造物に対する愛だ。人に神の愛を説く天使が、そういう愛を持とうとしないというのは、なんともおかしなことじゃないか?