[>>82「食事ならばお前がなれ」その言葉には、青年は声を上げて笑った。少女であった時にはなるべく見せないようにしていた牙がきらりと濡れた光を反射する。]
あはは、お断りだね!
その様子だと、さほど空腹なわけでもないのだろ?
俺はね、腹が減ったわけでもないのに殺生をする野蛮な輩が大嫌いなのさ。獅子だって、満腹時には草食獣を襲ったりはしないのに。動物以下だと思わないかい。
そんな輩にクラウゼヴィッツの血を分けるだなんてごめんこうむる。
[そうして蔦に絡め取られた男に目をやる。
>>86呂律もうまく回っていないのを確認すれば軽く頷いて]
ふむ、そろそろ引きずり出さないとまずいようだね。
……気が変わった。助けてあげるよ。
[そう言って青年は銀のナイフを取り出すと、木で出来た柄に軽く接吻をした。こうすることで魔力の込められた銀の刃物は、吸血鬼を傷つけうる力を持つ。]
俺はずうっと小柄だったからね。
動きはそんなに遅くないよ。
[にこり、牙を見せて笑った。]