[青年に背を向ければ、後ろで何かを自分に言い聞かせるように呟く声>>83が聞こえたが。
少女は、それ以上の言葉を紡がない。
青年の求める答えを、きっと少女は持ち合わせてはいないだろう。
自分を招き入れるように開く古城の門をくぐる。]
……
[ひく、と鼻を鳴らすと、沢山の血の匂いが混じったような、どろりと淀んだ匂いが微かに鼻をついた。]
同族が、たくさんいるのね。
少し、お城の中を散歩してみようかしら。
きっと「イベント」参加者のかたにもお会いできるわ。
[少女はどこか楽しげに呟いた。
『お父様』に大事に大事に教育された少女は、いわば箱入り娘。
『お父様』以外の同族と親しくなったことなどなかったのだ。
気の向くままに足を運んで、辿り着いたのは1(2x1)
1.お茶会の間 2.廊下]