人狼物語−薔薇の下国

168 グラムワーグ・サーガ


騎士 シェットラント

…っ、

[過去と現在から押し寄せる感情に、思わず拳を握りこんだ。
シェットラントの手に傷をつけた石の結晶のようなものは、
ソマリアードに渡しておきたかったものだ。
つくりあげて、渡しておきたかった。
けれどそれは叶わず、ソマリアードは死の床に就いている。

その手を自分の手で握って一拍の間、気を落ち着かせた。
見れば青年の指には水晶の指輪がひとつ嵌っている。
魔術の模様を施したそれが、唯一身に纏う、術を学んだ頃の名残だ。

過去と感情を握る手の中に落ち着かせて、息をついて拳を解いた。
肩にマントを引っ掛けると、足早に部屋を出る。
足を向けたのは騎士団長クロイス邸だ。
その前方に、やがて賑やかな足音>>79が響いてきた*]

(87) 2014/03/27(Thu) 14:05:44

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