― 少し先の話・校舎 ―
[話が一段落した頃、グラウンドから、ちらりとあの時の雷光の魔女の姿が見えて>>29。
彼女が変身していなかったとしても、どことなく異国的な雰囲気を持つ長身の女性だ、きっと間違いないだろうと。
少女はそちらへ歩み寄った。]
ユーリエさん……ですね。
……お疲れ様、です。
あの、少しだけ、いいですか?
余計なお世話かも、しれないし。
脱落させておいて何を言うか……って思われるかもしれないですけど。
[ここから先はデリケートな話題だ。
俊介が近くにいるなら聞こえないよう、ユーリエの耳へ届くよう、めいっぱい背伸びして、小声で囁く。]