― 魔導師の研究室 ―
………………。
[花精たちの間で交わされる言葉。
魔導師はそちらに強く意識を向ける事無く、治癒と覚醒に意識を向けていたのだが。
最初に目覚めた花精の言動に、ある予感を感じていたのはこちらも同じ事]
……さて。
そろそろ、あなた方も、目覚めるべき時ですよ。
本当に、なんというか。
今回は、辛い思いや苦しい思いをさせてしまって……申し訳ありません。
再発防止には全力を傾けますので……どうか、少しでも、心安らかに過ごしてください。
[言葉と共にふわりと灯すのは、翡翠色の光。
それに、淡い橙の光をふわりと重ねる。
それで最初に包み込んだのは、漆黒の花。
目覚めぬならば今に内に、という思いから、先に送り出す事を選ぶ]