―少し前/医務室―[月光を紡いだような自分の金とは異なる、陽の光のようなローの髪を、少しでも安心してもらいたくて、やわらかに撫でてから>>51自分が死んでいたら、マーティンに何をしていたか分からないと言うローに。一瞬、ひどく驚いてから。まあ、ぶっそうね、と紛らせてしまおうかとして――…できなかった。彼の見えづらい内心の思いまでは知り得ずとも、疑うことなど出来ないような、本気が伝わって来たから。]