― 回想・昨日の談話室 ―
そういえば……。
おじいちゃんと二人がかりでも、ずいぶん時間がかかってましたね、あの時は。
[祖父とヴァルターが地下書庫に降り立った時のことを思い出していた。>>1:567
戻るまでカウンターに腰かけていたクララは、
わずかに埃っぽくなって帰還した二人に、
「さっさと風呂に入ってください」ときつい調子で言ってしまった。
そうなるのは仕方のないことだ、と今では思うのだけれど]
はい、……でも、頑張ります。
[神妙にうなずいた――できる限りのことはする、と。>>1:568
風花の村という、図書館の蔵書よりもさらに規模の大きいものを“守る”者が相手だから。
自然と真面目な態度になったのだ]