[帰還を認め、休息を促す声。>>33それを捉えた事で気が緩み、意識は容易く深淵に落ちる。意識を失った事で、賑やかさを一気に増した意識のざわめきに触れずにいたのは幸か不幸か。そちらに気を割かれていたら多分、休むどころではなかったろうから、多分、幸い……なのだろう。手当て受け、短刀を離された事も気づかぬまま。ここに来る以前の疲れも出たのか、懇々と眠り続ける中。──懐かしい声を聞いた気がした]