― 廊下 ―
[ 訓練所に向かう道すがらから踵を返し自室へと向かう途中、今度はカスパルとその部下たちに呼び止められる。>>80
思わず、ポケットの中のモノに手を当てそうになるも、直ぐに思いなおすように敬礼を取る。 ]
……サシャ殿でありますか?
[ 瞳孔が開き、額から嫌な汗が流れ落ちる。
返事に窮していると、なぜかカスパルの方から助け船がだされるだろう。
既にフィオンとドロシーへ喋ってしまっているが、思わずその話しに乗ってしまう。 ]
そ、そうであります!
昨日、自分はぐっすりと眠っていたであります。
な、なにも知らないであります!
[ この嘘は後々捜査の妨害とみなされるだろうか?
それにしても慌ててついてしまった嘘とはいえ、もう少しうまいかわし方はなかったのだろうか。
サシャを庇うにしてもこれではとても中途半端な答えである。 ]