―回想:
[おじ様―――
子供から言われると軽くダメージのあるその四音節に、胸中でふっと苦笑した。自分ではまだ若者だと思っていたが、周りから見ればそうでもないらしい。
無邪気を見せる少女>>57のペースのまま、短い歌を幾度も繰り返すと、すぐに覚えた彼女は、今教えたばかりの曲を軽やかに口ずさんだ。
歌う者が変わると、印象も随分と異なる。
高く澄んだ少女の歌声は、海上を自由気ままに舞う白い鴎を連想させた。]
…そうか。 とってもか。
[嬉しそうな笑顔>>58には、こちらも表情が柔らかくなる。
最初はまとわりつかれて厄介だと思ったが、こうしてみるとなかなか、悪くない暇潰しだった。]