雪女の怪――
[再び握られた人形の手が開かれ、思い切り前へと突き出されれば、
ふわり、綿毛のように舞う六花の結晶。
風に揺られ、空で遊び、それらは簡単に、鎧騎士の剣で叩き落とされ――たかのように見えますが、]
[数秒後、そこにいるのは、船板に剣を突き刺した鎧騎士達の姿。
必死に剣を持ち上げようとしているのか、柄を両手で握って引いております。
しかし、厚い氷のまとわりついた剣は抜ける気配はなく、それどころか氷は時間がすぎるほどに広がっていきます。
六花の結晶の触れた兜に、脛当てに、
すぐに手甲も、前腕当ても氷で包まれてしまい、そして、]