― ヴィルベルヴィント近辺 ―
[唐突な出来事に対する動揺が鎮まれば、海老如きは二国の水軍の敵ではない、という事らしい。
そんな分析を巡らせていると、不意に、海面が大きく揺らいだ]
……なんっ……!
[なんだ、というより先に海面からにゅ、と生白い物体が二本、突き出す。
何かの触腕らしい――とどうにか認識した直後、これまた真白の物体が海面に姿を見せた]
あれ……もしかして…………烏賊か?
[こちらもこちらで馴染みはないのだが。
特徴的な姿形故に、それが何かは認識できた。
できたらできたで、その大きさに圧倒されるわけだが。*]