人狼物語−薔薇の下国

381 四君子繚乱


柊の氷華 ジークムント

― 回想/永き冬の終わり ―

[『氷華』の名持つ氷神が、『譲葉』の王座に就き千年。
 葉落としの刻が近付き、天を覆う灰色の雪雲は、急速に厚みを減じ、疎らになりつつあった。
 雲の切れ目からは星の輝く夜空が覗き、紅の月光が差す]

『我が栄華も、今宵にて仕舞いか』

[その月に最も近き玉座に、氷の女帝、『氷華』は足を組み腰掛けていた。
 代替わりの度装いを変えて来た王城は、今は彫像の如く氷に覆われ。
 玉座もまた曇りなき氷に包まれて、種々の結晶により装飾を施されていた]

『王華の力を得、千年を費やしても、譲葉の全てを静寂で満たすは叶わなかったな』

[言葉とは裏腹に、残念そうな素振りはなく、口の端に僅かな笑みを浮かべた女帝は足を組み直す。
 その視線の先には、跪く氷精霊の筆頭の姿があった]

(86) 2015/10/03(Sat) 16:33:01

SWBBS V2.00 Beta 8++ あず/asbntby