――……脚があれバ?
可笑シな事を言うナ、有るダろう、"脚"ハ。
[そう言うが早いカ、背を屈めて她を抱いタ腕を軽ク下げ。抱いていナい方の手ノ指を她の指ト絡め合わせるように握れば、見様見真似ナがらも舞踏ノ形を取れタダろうカ。
一度、二度ト。踊るように身体を揺らシ。
鳴り響く音楽も、美シい照明も無い。こんナ薄暗ク寂れタ舞踏広間では、女神ハ不満カもシれないけれど。]
僕ハ、"ドリィ様"の"脚"なんだカら。
"脚"が無くて、出来ない事ナんて無いんダ――無くシてやるト、言っタだロ?
……、でも下手ナのハ簡便シてくれよ。舞踏は苦手ナんダ、西洋のハ特に。
[そう言って、再び她の身体を持ち上げ。少シダけ拗ねタように呟けば、再び階段を上り始める。]