[このお願いに、その人が返してくれた答えもまた、初めてのものだったから。
抱いた嬉しさはとても大きくて、本当に、嬉しくて。
でも、なぜか]
……あ、
[笑ってお礼を言いたいのに、一音を発しただけで、目から雨が降り出した。
なんで、と思っても止めることもできなくて、それどころか喉がしゃくりあがって言葉を続けることすら難しくて]
あ、りが、とぉ…っ
[ひどい泣き顔のまま、それでもなんとかお礼を言えるまでにも少し時間がかかってしまった。
更に泣き止むまでにはどれ程の時間を要したのだったか。
それでも、いつまでも泣き続けることは難しいから、時間が過ぎれば涙は止まって]