― 天上宮 ―
[祭の際のような賑わいこそないものの、初めてこの地を踏んだ少年には、全てが目新しくもあり、行き交う人の数もまた段違いだ。
つい足取りを軽くしながら、道を辿ることしばし]
あ。あの人……。
[先の朱雀神と近しい気配を感じ、そちらへ足を向ける。
そこに赤い髪の青年>>85を認めて]
こんにちは!
貴方が朱雀の眷属って言う人?
オレ、霊亀の眷属で、クリフって言うんだけど。
[にこにこと緊張の感じられない表情を浮かべながら、軽い調子で話し掛ける。
背後から見守る青年が、声なき叫びを上げていそうな気がした]