― 陸戦場・上空 ―
少し戻って高度低めで牽制するよ。
退却する味方の援護をするから。
[敵兵で追って来る者があれば矢や槍は避けたり弾いたりしなければいけない。その覚悟だけはつけなおして、トルメンタに指示を出した]
それくらいはしなくちゃ。
ジークムントさん、無事だといいんだけど。
それに、シュテルンも。
[ジークの名を呼んでいたファミル。もしも戦線が崩れたせいで何かが起きたのだとしたら。逃げてきてしまったことを後ろめたく思うため、思考は良くない方にばかり向いてしまう。
それでも退却する氷竜軍の上まで舞い戻ると、河の方を時々チラチラと気にしながら、何度か上昇と降下を繰り返した]