――えっ…きゃっ……
[とにかく言い訳をと考えていたから、返事も送れ、水がかけられてから気づく始末。
どうすればいい――迷う心はあるから、残りのカクテルの飲み干してグラスをカウンターに置くと、プールに寄って、お返しとばかりにばしゃりと豪快に水をかける]
お返しです。
[水をかけた時に、指先できらりと指輪が光るから、付けていろと言われたが、今更だろうが水につけるのはいけないと思い指から外す。
…そこまでは良かった、カウンターに置かせてもらおうと、振り返り一歩踏み出したときに、足を滑らせる。
酔いの為か、それとも慣れぬ扱いの為かは解らないが――。
そんな事をしたせいで、手にしていた指輪は手から離れとどこかへと…人の間に消えて行く]
――ぁっ…。
[追いかけようにも転びそうになったせいで、すぐには動けず、指輪の存在も見失うから、後ろを振り向けない。
男がどういう顔をしているのか見る事が出来ないから*]