『……まっしろ』『月の光を受けて、蒼く透き通るよう』[気紛れが生み出したが如きその若木に揺れていたのは色薄き花。力弱く、鬼神の目に留まる事のなかった名も無きそれをも如月の君は等しく愛でて]『名がないの? だから、応えないの?』『それなら……蒼い月の光の子……蒼月、と呼びましょう』[邪気なく紡がれし言霊が、後の闇桜に意を宿す事となった]