[>>77治療が終われば、幾分か血の気も戻って来ただろう。鬼気迫る表情で他に爆発に巻き込まれた者の事を問われれば、カシムの亡骸の様子を思い出して男は瞳を揺らし、]――…カシムが、彼が一番爆発に近いところにいました。[死んだとは言えなくて口を噤む。現場の方へ向かう軍医の姿を映す男の目は虚ろ。少尉が女性兵に声を掛けているのを何処か遠くに聞いていた。**]