「本当に…あんたたち、幸せになるんだよ。」
[10年前のレジーナとオズワルドの結婚式の日。母は仕立てたウエディングドレスを着たレジーナを見て、涙を浮かべていた。
そのとき初めて人は嬉しいときも泣くのだと分かった。
幼馴染たちがこれから紡ぐであろう、輝かしくも楽しい日々。
きっと母は誰よりも願っていたであろう。
…しかしそれは銀嵐によって思いがけない結果を迎えた。
あれ以来、母は具体的な言葉を何一つ口にしない。
けれども最早口癖となった”銀嵐に気をつけて。”が、全てを物語っているような気がしてならなかった。**]